営業を続ける店舗や、かつて足繁く通った常連客たちは現在の「北の家族」をどのように評価しているのでしょうか。SNSや大手グルメレビューサイト、知恵袋などに寄せられた膨大な声を分析すると、世代間による受け止め方の違いが浮き彫りになります。
まず往年のファンから圧倒的に多く聞かれるのは、「有楽町や新宿にあったあの広大な空間がなくなって寂しい」「新入社員の頃の歓迎会といえば北の家族だった」というノスタルジーです。かつてのメガ店舗は、単なる飲食店を超えて昭和・平成のサラリーマン社会を象徴するコミュニティ空間として機能していた証左といえます。
一方で、現在営業中の店舗を訪れた利用客からは、意外なほど前向きな口コミが目立ちます。
「昔の安かろう悪かろうのイメージで行ったら、刺身の鮮度と盛り付けの美しさに驚いた」
「大箱チェーン特有の騒音やタバコの煙がなく、少人数で北海道の地酒とホッケの原始焼きをじっくり楽しめる」
「一時期話題になったランチの海鮮食べ放題は終了していたが、定食の小鉢や味噌汁まで丁寧に作られていて満足度は高い」
過剰な低価格競争に巻き込まれていた時代と比べ、「北海道の味覚を適正な価格でゆったり味わえる海鮮酒場」としてのクオリティが再評価されている様子がうかがえます。ネット上の「閉店ラッシュ」という暗いイメージと、実際の現場で提供されている料理・接客のクオリティには、ポジティブな意味でのギャップが生じています。