弟である野原ひろしと野原せましの関係は、一見すると水と油のようだ。商社マンとしてローンを抱えながら家族を支えるひろしに対し、せましは徹底的に無駄を削ぎ落とす質実剛健な生き方を貫く。5歳離れた兄弟の対比は、物語に大きな深みを与えている。
二人の会話は常に噛み合わない漫才のようだが、根底には固い血縁の絆が流れている。非常時や家族のピンチにおいては、せましが見せる思いがけない不器用な優しさが物語を熱く盛り上げる。一見冷徹に見えるドケチ行動の根底に流れる家族愛こそが、彼が長年愛され続ける最大の真相と言えるだろう。