作品が連載されていた1970年代後半、漫画界は大きな変革期を迎えていた。その中心に君臨していたのが『週刊少年チャンピオン』だ。毎週毎週、限界を超えたテンションで繰り出されるギャグの応酬は、読者の予想を遥かに超えるものだった。
山上たつひこが描くコマ割りは、現代の短尺動画におけるテンポ感と驚くほど共通している。余計な説明を極限まで削ぎ落とし、1コマ目から全開で畳みかける構成。このハイスピードなストーリーテリングこそが、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視する現代の若者にとって、ストレスなく没入できる最大の要因となっている。