首都圏から北陸を目指す際、乗客が直面する最初の選択が「かがやき」と「はくたか」のどちらに乗るかという問題だ。この2系統は、運転本数や車内設備、座席構成に至るまで対照的な設計が施されている。
「かがやき」は全車指定席。自由席は一切存在しない。満席時の立席特急券を除けば、事前予約なしでの気軽な駆け込み乗車はできないシステムだ。これには明確な意図がある。全席指定にすることで車内改札の手間を減らし、最速達列車としての静粛性と快適性を極限まで高めているのだ。東京〜金沢間を約2時間20分台で駆け抜けるその圧倒的なスピード感は、出張で多忙を極めるビジネスパーソンにとって強力な武器となる。
一方の「はくたか」は、ゆったりとした旅行者の味方だ。自由席を連結しており、ダイヤの柔軟性が高い。長野以北の各駅に停車する便が多く、立山黒部アルペンルートの玄関口である富山や、黒部宇奈月温泉、黒姫や妙高の山々へ向かう足として重宝される。「かがやき」が通過する駅へ向かう場合、大宮や長野で「はくたか」へ乗り換える緩急接続の工夫もダイヤ上に施されている。スピードか、自由度と細やかなアクセスか。ニーズに応じた使い分けが、北陸新幹線の真骨頂と言える。