エビとカニ。この二つは生物学的に非常に近いグループに属している。そのため、アレルギーを引き起こす原因となるタンパク質の構造も酷似しているのだ。
その代表格が「トロポミオシン」と呼ばれる筋肉収縮に関わるタンパク質である。エビに含まれるトロポミオシンと、カニに含まれるそれは、アミノ酸配列の約90%以上が一致する。人間の免疫システムは、この酷似した構造を見分けることができず、エビに対して作った武器(IgE抗体)をカニに対しても誤って使ってしまう。これが「交差反応」と呼ばれる現象だ。
統計的には、エビにアレルギーを持つ人のうち、約6割から8割がカニに対しても陽性反応を示すとされている。つまり、科学的な確率論から言えば「エビがダメならカニも避けるべき」というのが、これまでの医療現場での大原則だった。