制作現場ではどのようなトラブルや工夫が起きているのか。デザイン制作会社勤務のデザイナーや、中学校・高校のサッカー部保護者会でポスター制作を担当した実務者の声を調査しました。
都内のデザイン事務所でWebディレクターを務める30代男性は、新人デザイナーが納品したバナー広告で起きたトラブルをこう明かします。
「クライアントであるスポーツメーカーの担当者から『このボール、五角形が連続していて幾何学的にあり得ない構造になっている。サッカー経験者が見ると強烈な違和感があるのですぐ差し替えてほしい』と指摘されました。素材サイトから適当に拾ってきた未検証のイラストだったことが原因でした。サッカーファンはボールのパネル形状に驚くほど敏感です」
また、地域のジュニアユースクラブで募集チラシを作成したPTA役員の女性は、手書き風素材の利点をこう語ります。
「最初は本格的なCGイラストを使っていたのですが、低学年の保護者から『クラブが厳しそうに見えて敷居が高い』という声がありました。そこで、角を丸めた『サッカーボール手書き風かわいい』タッチのイラストと子どもの笑顔の写真を組み合わせたところ、体験練習への応募数が前年比で約140%に伸びました。イラストが持つトーン&マナーは保護者の心理的ハードルを大きく左右します」