国内大手メーカー各社はすでに緊急体制へ舵を切っている。愛知県や静岡県に製造拠点を置く衛生用品メーカーは、休眠状態だった補助ラインを再稼働させ、工場の勤務シフトを3交代・24時間稼働へ切り替えた。
しかし、フル稼働の掛け声とは裏腹に、生産現場には疲弊がにじむ。設備の連続稼働に伴う定期メンテナンスの前倒しや、オペレーター不足が足を引っ張る。特に高性能な静電チャージフィルターの製造ラインは熟練工の監視が不可欠であり、単純な人員投入だけでは歩留まりを維持できない。
日本衛生材料工業連合会の関係者によれば、国内工場のフル稼働によって上積みできる供給量は月間約1億枚にとどまる。平時における国内消費量(月間約4億5000万枚)の穴埋めには到底届かず、輸入依存度の高さという脆弱性が再び浮き彫りとなった。