かつては大型特番や音楽番組の常連だった彼らが、なぜテレビ画面から距離を置くようになったのか。ファンや関係者の間では様々な推測が飛び交った。体調不安説や引退説すら噂された時期もある。だが真相は、もっと誠実で前向きな音楽的必然に基づいている。
「自分たちの言葉と音が、もっとも生々しく届く場所はどこか」。彼がたどり着いた答えは、過度なテレビ的演出を排し、ステージの上で観客と1対1で対峙することだった。タイムパフォーマンスが重視され、短尺の音源が消費される風潮に対する、ある種の静かな抗いでもある。画面越しではなく、生の音響で聴き手の鼓膜を揺らす。その美学を貫くための選択だったのだ。