ビジネス上の大トラブルが発生した際、企業の危機管理コンサルティングを担当する専門家たちは一様に「品物の物理的な重量」の重要性を指摘する。人間は手にした物品の重さを、そのまま相手の反省の深さや事態の重大性と無意識に紐付ける心理的傾向があるからだ。軽々しい焼き菓子の詰め合わせでは、「こんな軽い気持ちで謝りに来たのか」という悪印象を与えかねない。
以前、日本経済新聞のコラムでも話題となったように、謝罪の成功率と進物の重量感には密接な相関が存在する。手に持った瞬間にずっしりと腕に伝わる重みこそが、言葉だけでは表現しきれない「過ちの重み」を代弁する。口先だけの謝罪言葉を弄するよりも、歴史と品格を備えた重厚な一品を用意することが、相手の心理的硬直を解く第一歩となる。