セブンカフェが世に出たのは2013年のこと。当時のセブン&アイ・ホールディングス会長であった鈴木敏文による強い牽引のもと、「店頭で一杯ずつ豆を挽き、ドリップする」という当時としては画期的なシステムが誕生した。それまで缶コーヒーが主流だったコンビニエンスストア業界に、地殻変動を起こした瞬間だ。
成功の裏には、緻密なハードウェアの開発があった。マシン開発を手掛けたのは富士電機だ。ボタンを押してからペーパーフィルターで抽出するまでを一杯ずつ自動で行う専用設計マシンは、店舗スタッフの手を煩わせずに最高の一杯を提供する仕組みを完成させた。
さらに、ブランディングを全面的に担ったのがクリエイティブディレクターの佐藤可士和だ。白と黒を基調としたミニマルで洗練されたマシンデザインとロゴは、それまでの「コンビニのチープな飲み物」というイメージを一新。誰もが街中で持ち歩きたくなる洗練された佇まいを作り出した。一杯100円という衝撃的な価格とカフェクオリティの融合は、一躍空前の大ヒットとなり、社会現象へと昇華したのだ。