「丙午生まれの女性は気性が激しい」「結婚すると夫を食い殺す」という恐ろしい噂の正体は、古代中国から伝わった「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」に端を発しています。
十干の「丙(ひのえ)」は「火の兄」を意味し、自然界の激しい火の性質(陽の火)を表します。十二支の「午(うま)」もまた季節の真夏、方角の南を指す強い火の属性(陽の火)です。この2つが重なり合う丙午は「火気が極限まで重なる猛烈な星回り」と解釈され、古来より厄災や火災が起きやすい年と恐れられてきました。
江戸時代に入ると、この思想が男女の力関係や婚姻の迷信へと曲解されます。「激しい火の性分を持つ女性は、男性を圧倒して早死にさせる」という根拠のない俗信へと変化し、男尊女卑の風潮が強かった当時の社会規範と結びついて語り継がれてしまいました。