「朝、出勤しようと駐車場へ向かったら、愛車がコンクリートブロックの上に並べられていた」――千葉県内のマンションに住む40代の男性は、そう語りながら肩を落とす。被害に遭ったのは、購入したばかりのプレミアムEVだった。純正装着されていた大径鍛造アルミホイールと特殊低燃費タイヤ、4本合わせて120万円相当が一夜にして消失した。
2026年の自動車市場において、EVや大型SUVのシェア拡大は副産物として「高額ホイールバブル」を引き起こした。車両重量の重いEVに耐えうる高剛性・軽量ホイールは、中古パーツ市場や海外のオークションサイトで高値で取引される。車体を丸ごと盗むにはスマートキーのエミュレーターや巨大な搬送車が必要になるが、ホイールだけであれば軽バン1台と油圧ジャッキさえあれば完結する。窃盗団にとって、リスクが低く実りの大きい「パーフェクトなターゲット」なのだ。