彼女の経歴を語る上で避けて通れないのが、2012年4月に列島を揺るがした俳優・塩谷瞬氏との「二股交際騒動」です。世界的モデルの冨永愛氏とともに渦中の女性として連日ワイドショーで取り上げられ、メディア各社が自宅や店舗前に殺到する異様な報道合戦が繰り広げられました。
当時、生放送番組や特番インタビューで語られた彼女の証言を再検証すると、騒動の真相は一人の男性による不誠実な二重交際の被害者であったにもかかわらず、世間の論調は次第に彼女の言動やキャラクターへの過度なバッシングへと歪められていきました。会見や直撃取材で見せた憔悴した表情、痛々しいほど細くなった手足に対し、ネット上では「激痩せ」「精神的に不安定なのではないか」といった心ない詮索が飛び交いました。
しかし、彼女の「激痩せ」の背景には、単なる失恋のショックだけではない根深い背景が存在します。園山真希絵はかつての上梓本や手記の中で、高校時代に深刻な拒食症と過食症(摂食障害)を経験し、体重が急激に増減した過酷な過去を明かしています。極限の健康危機に直面した際、自らの命を救ってくれたのが「豆」や「伝統的な和食」であり、それが料理研究家を志す原点となりました。騒動による過度のストレスが古傷である摂食バランスに影響を与えたことは想像に難くありませんが、平成末期のメディア空間はそうした人間の脆さを容赦なくエンタメとして消費していったのです。