普段ならカクテル2〜3杯は問題なく楽しめる人であっても、生理中に限っては1杯目から動悸やめまいを感じることがあります。この現象の背景には、月経周期に伴う女性ホルモンとアルコール分解酵素の密接な相互作用が存在します。
厚生労働省の生活習慣病予防ガイドラインや国内外の薬理研究によると、女性は男性に比べて体内の水分量が少なく体脂肪率が高いため、同量のアルコールを摂取しても血中濃度が高くなりやすい特徴があります。さらに生理中は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量がともに急激な低下を見せる時期です。
肝臓がアルコールを分解する主経路であるアルコール脱水素酵素(ADH)やミクロソームエタノール酸化系(MEOS)は、これら女性ホルモンの濃度変化からダイレクトに影響を受けます。ホルモンバランスがリセットされる月経期は、肝臓の代謝リソースが子宮内膜の排出に伴う炎症反応の処理やホルモン代謝に割かれるため、アルコール分解能力そのものが通常時に比べて大幅にダウンします。その結果、中間毒性物質であるアセトアルデヒドが体内に滞留しやすくなり、早い段階で吐き気や顔面紅潮、頭痛などの悪酔い症状が引き起こされるのです。