ここで、旅の現場や作品の鑑賞時に役立つ五島弁の主要フレーズを整理しておこう。地元出身者が使う微妙な語感を含め、代表的な会話表現をピックアップした。
まず代表格と言えるのが「みじょか」だ。「可愛らしい」「愛くるしい」を意味し、小さな子どもやペット、珍しい草花を見つけた際に感情を込めて使われる。また、作品タイトルにも採用された「ばらかもん」は「元気な者」「活発で元気一杯な人」を指す。ほめ言葉としても頻繁に登場するフレーズだ。
一方で、一見しただけでは意味が推測できない難解な言葉も少なくない。突然の出来事に驚愕した際に出る「おっどころ(驚くこと)」や、自分たちのグループを指す「オルガ」、自身の所有物を表す「おんのす」などは、会話の中でリズミカルに飛び交う。驚きの感嘆符として使われる「あっぱれ」は、単なる賞賛を超えて「なんてことだ!」という驚きの場面でも口にされるため、文脈を捉えるのがコツだ。