多くの利用者が抱く最大の疑問が、「公有地であるはずの河川敷が、なぜ有料化されたのか」という点でしょう。この疑問を紐解く鍵は、かつて現地で発生していた深刻なモラルハザードにあります。
淀川河川公園管理事務所の過去の調査データによると、ピーク時には1日あたり1万人を超える行楽客が押し寄せ、連休明けの河川敷には大量の焼き網、壊れたアウトドアチェア、食べ残し、さらには火が付いたまま放置された炭が散乱していました。年間で投じられるゴミ処理費用と清掃委託費は数千万円規模に達し、その原資は国民の税金で賄われていたのです。
さらに取材を進めると、一般客を締め出す形で早朝から広大なスペースを占拠し、無許可で機材貸出を行う有料セッティング業者の横行や、泥酔者同士の暴力沙汰、深夜に響き渡る重低音スピーカーの騒音など、周辺の西中島住民からの苦情件数は年間数百件に達していました。自由の代償として生じた「コモンズ(共有地)の悲劇」を是正するため、管理側は受益者負担を原則とする有料管理制度への移行を決断しました。つまり、淀川河川公園西中島地区の有料化理由は、単なる収益事業ではなく、治安維持と環境破壊の食い止めに向けた苦渋の防衛策だったのです。