京王電鉄株式会社が鉄道旅客輸送事業のフラッグシップとして運行する「Mt. TAKAO号」は、新宿駅と高尾山口駅を最速で結ぶ座席指定列車だ。最大の特徴は、下り列車における新宿駅発車後の圧倒的な疾走感にある。通常の特急が停車する明大前、調布、府中といった主要駅をすべて通過し、終点の高尾山口駅まで途中停車することなくノンストップで駆け抜ける。
この運行形態がもたらす心理的快適さは計り知れない。途中駅からの乗客の乗り降りに煩わされることなく、目的地まで完全にプライベートな移動空間が保たれる。日帰り観光・登山の人気が定着した現在、移動時間を「我慢の時間」から「くつろぎのエンターテインメント」へと昇華させた功績は大きい。