この劇的な環境変化のなかで、圧倒的な存在感を放ち続けているのが俳優・堺雅人だ。社会現象を巻き起こした『半沢直樹』の時代、世帯視聴率は40%を超える異次元の数字を叩き出した。敵役を徹底的に追い詰めるカタルシスと分かりやすい勧善懲悪は、日曜劇場の王道としてお茶の間を制覇した。
しかし、数年後に解き放たれた『VIVANT』が提示したヒットの方程式は、まったく異なるベクトルを持っていた。規格外の海外ロケと複雑に入組んだサスペンス構造、毎話残される壮大な謎。リアルタイム視聴率だけでなく、放送終了直後から配信プラットフォームへ視聴者が殺到し、タイムシフト視聴率と見逃し再生数の双方で前代未聞の記録を打ち立てた。堺雅人という稀代の役者は、昭和型のテレビ黄金期と令和の配信全盛期の双方で頂点を極めた象徴と言える。