当時のワイドショー報道がなぜこれほど過熱したのか、現場の報道関係者の証言や当時のSNS前夜のコミュニティ世論を検証すると、現代のタレント熱愛報道とはまったく異なる異常な熱気がありました。
当時は、朝・昼・夕方の情報番組がこぞって「羽賀・アンナ問題」をトップニュースで扱い、レポーターが羽賀さんの自宅マンションや梅宮邸に昼夜を問わず張り付いていました。連日放送される辰夫さんの怒りの肉声と、それに反発して涙ながらに羽賀さんへの愛を誓うアンナさんの姿は、まるで台本のないテレビドラマとして消費されていたのです。
当時の視聴者アンケートや雑誌の投書欄では、「親の反対を押し切って愛を貫く健気な娘」とアンナさんに同情する声も初期には一部見られました。しかし、羽賀さんの借金の実態やペア写真集の商業主義的な側面が暴かれるにつれ、世論は急速に「梅宮パパの言う通りだ」「娘は早く目を覚ますべき」という論調へ一気に傾斜していきました。
現在振り返ると、この騒動は「恋愛におけるマインドコントロールと共依存の構図」が公共の電波を通じてリアルタイムで可視化された日本で最初のスキャンダルだったと位置づけられます。