テレビ画面の中で、どんな難問にも動じず、涼しい顔で正解を連発するカズレーザー。彼の知的なイメージの底流には、かつて挑んだ最高峰の壁と、それに届かなかったという明確な敗北の記憶が存在する。東大受験という、多くの受験生が人生のすべてを賭ける勝負において、彼もまた一人の挑戦者であり、そして敗者だったのだ。
しかし、彼はその過去を悲壮感たっぷりに語ることはしない。むしろ、淡々と事実として受け入れ、自らの血肉としている。完璧なエリートロードを歩んできた人間よりも、一度挫折を知り、そこから独自のルートで這い上がってきた人間の方が、言葉に説得力が増すのは世の常だ。彼の語る言葉がどこか冷徹で、それでいて温かみを持つのは、この「敗北の味」を知っているからだろう。