紙のレシートを台紙に糊付けし、月末にため息をつきながら計算機を叩く——そんな昭和・平成の風物詩は、電子帳簿保存法(電帳法)の全面義務化によって完全に過去のものとなった。2026年現在の日本企業における経費精算は、驚くほどスピーディーだ。
従業員は店舗でレシートを受け取った瞬間、スマートフォンの経費精算アプリで撮影する。高精度なOCR(光学文字認識)AIが、店舗名、日付、金額、消費税区分、さらにはインボイス登録番号の有効性を国税庁データベースと即座に照合し、数秒で自動入力する。撮影された画像データはタイムスタンプが付与されてクラウドに保存され、原本である紙のレシートはその場で破棄しても法的効力を維持できる運用が一般化した。これにより、企業の経費精算コストは大幅に削減されたが、同時に不正受給や偽造画像の検知アルゴリズムも極めて高度化している。