中国国内における政治的文脈を読み解くことも不可欠だ。習近平国家主席が掲げる「中華民族の偉大なる復興」というスローガンの下、海洋強国への道筋は政権の求心力を維持するための生命線となっている。中国名「釣魚島」の奪還というスローガンは、国内のナショナリズムを煽る絶好の政治的カードとして利用されてきた。
外交の指揮を執る王毅外相らの言動にもその意図は顕著だ。多国間の国際会議の場においても、強硬な発言を崩さず、対話の姿勢を見せつつも譲歩の気配は一切見せない。国際政治・安全保障の専門家が指摘するように、彼らの狙いは時間をかけて国際社会に「係争地帯」としての認識を定着させることにある。