今、都市部のマンションリノベーション市場で目立っている変化がある。かつてコスト優先で選ばれがちだった塩ビシートやプリント木目のフローリングから、本物の樹種を用いた天然木フローリングへの回帰現象だ。仕事の多くがデジタル化し、画面に向かい続ける生活が当たり前になった現代人にとって、我が家は「デジタルから解放される聖域」であるべきだという意識が働いている。
足裏を伝わる微妙な凹凸や、朝夕の光の差し込み方によって変わる木目の表情。それらは単なる内装の選択にとどまらず、住む人のメンタルウェルビーイングに直接作用する。天然木の美しさと床暖房対応や防音性といった都市生活のリアリティを両立させた製品開発が、今の住み替え層の心を見事に捉えている。