南青山骨董通り沿いに佇むクリントンストリートベイキングカンパニー 南青山。2013年の日本初上陸から10年以上が経過した2026年現在も、開店前から漂う焼きたてのバターとバニラの芳醇な香りに引き寄せられ、店頭には国内外のゲストが列を形成しています。「ブームの終焉とともに淘汰されるカフェ」が相次いだなかで、同店が不動の人気を保ち続ける背景には、明確な理由が存在します。
最大の要因は、流行に左右されない「スクラッチ・ベーキング(完全無添加の手作り製法)」への徹底したこだわりです。創業者であるニール・クレインバーグ(Neil Kleinberg)シェフが提唱した「シンプルでありながら最高峰のクラシックアメリカン」という哲学は、東京の店舗でも寸分違わず受け継がれています。多くのチェーン店が効率化のために導入するミックス粉や既製品のソースを一切使わず、卵白を丁寧に泡立てて仕込むパンケーキ生地や、毎朝厨房で乳化させて作る温かいメープルバターなど、妥協なきクラフトマンシップが味覚の肥えた表参道の大人たちを納得させ続けているのです。
さらに、単なるスイーツショップではなく、本格的なダイナーとしての食事メニューが充実している点も見逃せません。朝食からディナーまで一日を通じて本物のNYブランチカルチャーを体験できる場として、日常のライフスタイルに深く定着しています。