ベルナルド・ベルトルッチ監督の名作映画『ラストエンペラー』では、紫禁城の壮大な美しさと溥儀の悲劇的な政治的運命がドラマチックに描かれた。一方で、NHKの連続テレビ小説『まんぷく』は、安藤百福夫妻をモデルにインスタントラーメン開発に捧げた波乱万丈の半生を描き出し、多くの感動を呼んだ。
しかし、エンターテインメント作品の枠組みでは描かれきれなかったのが、これら二つの物語が水面下で交錯した歴史の「すき間」である。政治の表舞台を追う映画と、開発者の苦闘を追うドラマ。その双方が描く時代の先で、元皇帝の質素な食卓と日本の発明品が出会っていた事実は、フィクションを超えた歴史の深みを感じさせる。