活字離れと長引く不況に喘いでいた韓国の出版業界にとって、今回の受賞はまさに天から降ってきた巨大な救済劇だった。受賞の一報が入るや否や、教保文庫やイエス24といったオンライン書店の決済システムは完全に麻痺。わずか数日の間に100万部を超える驚異的な注文が殺到した。
地方の印刷所は昼夜を問わず輪転機をフル稼働させ、紙の調達が追いつかなくなるという嬉しい悲鳴が響き渡った。普段は本を読まない層までが文庫本を買い求め、カフェや通勤電車でページをめくる姿が日常の景色となった。活字メディアの衰退を嘆いていた報道メディア産業もまた、この前代未聞の「読書ブーム」を一大社会現象として精力的に報じ続けている。