大相撲の土俵には厳格な階級社会が存在する。幕内力士の最下位を意味する「幕尻」は、常に十両への転落という極度のプレッシャーと隣り合わせのポジションだ。日本相撲協会が発表する番付表において、その名は最も下に刻まれている。
聖地・両国国技館をはじめとする本場所の舞台で、幕尻の力士が15日間勝ち続けることは容易ではない。初日から上位陣と当たることは少なく、序盤は同等あるいは勢いのある若手との対戦が続く。しかし白星を重ねるにつれ、役力士や横綱・大関との対戦が組まれ、プレッシャーは加速度的に跳ね上がっていく。