作中でひときわ鮮烈な印象を残すのが、ヒロインのたまごちゃんだ。彼女のキャラクター造形は、従来の無菌室的なアニメヒロインとは一線を画している。時に我が侭であり、時に自己中心的な行動をとるが、その人間味あふれる弱さこそが視聴者の共感を呼ぶ。
このファンタジーコメディに絶妙な柔らかさと品格を与えているのが、語り手(ナレーション)およびキャラクターの声を演じた女優・本上まなみの存在だ。透明感あふれる声のトーンは、シュールでシュールに傾きがちな展開を温かく包み込み、物語に上質な絵本のような質感をもたらした。声の表現力が作品の哀愁を際立たせ、大人にも届く文芸性を与えた功績は大きい。