今年公開されたSFサスペンス映画での彼の役どころは、まさにその身体的錯覚を極限まで利用したものだった。185センチを超える若手俳優たちに囲まれながらも、染谷が演じる冷酷な支配者は、まるで彼らを見下ろしているかのような威圧感を放っていたのだ。現場のスタッフからも「彼が立つと、部屋の天井が低くなったように感じた」という声が漏れるほどだったという。
衣装の着こなしや、あえて猫背気味にするアプローチなど、ディテールへのこだわりが異次元だ。物理的な高さを超えた「重力」を身にまとうことで、彼はスクリーンの中心に君臨し続けている。