戸上隼輔選手のプレースタイルを語る上で欠かせないのが、「前陣から中陣における超攻撃的な両ハンド高速ドライブ」です。現代卓球ではバックハンド主体のプレーが主流になりつつありますが、戸上選手の最大のストロングポイントは、どんな体勢からでも強振できる圧倒的なフォアハンドの破壊力にあります。
強さの秘密:電光石火のチキータと爆発的なフットワーク
戸上選手の強さの根源は以下の3点に集約されます。
- 積極果敢なレシーブ攻撃(チキータ):相手のサーブの回転を読み切り、台上で手首を鋭く返して先手を取るチキータの威力が世界トップクラス。相手に攻めさせる隙を与えません。
- 低重心から繰り出されるフォアハンドカウンター:相手が攻めてきたボールに対し、一歩下がって凌ぐのではなく、前陣に踏みとどまってカウンターで打ち抜く度胸と反応速度を保持。
- 野田学園仕込みのフットワーク:身長170cmと大型選手ではないものの、左右への飛びつきと前後への切り替えが電光石火であり、打球点の高さを維持し続けられる身体能力があります。
ギアの変遷:進化し続ける使用用具(ラケット・ラバー)
卓球において、用具の選択は選手の生命線です。株式会社タマス(バタフライ)と契約を結ぶ戸上選手は、用具に対して強いこだわりを持っています。
- ラケット:自身の名を冠したオリジナルブレードや、高反発特殊素材を搭載したアウターカーボンモデル(「ファン・ジェンドン ALC」や特注モデル)をベースに使用。球離れの速さと強烈な打球感を両立させています。
- フォア面ラバー:「ディグニクス09C」または「ディグニクス05」。微粘着性による台上技術の安定性と、強打時の圧倒的スピン量を確保するために厳選。
- バック面ラバー:「ディグニクス05」。相手の強烈なボールに押し負けず、高速バックハンドドライブをコンパクトに振り抜くための高い反発力を重視。
かつては威力重視のセッティングゆえにミスが出る場面も見られましたが、ドイツ移籍以降は「回転量とコントロール性能」を底上げしたチューニングへと進化しており、ラリー戦での安定感が飛躍的に向上しています。