草津町の一件が露呈させた最大の病理は、SNS上における「感情的な即決裁判」の恐ろしさだ。真偽が確定していない段階で、一方の主張のみを信じ込み、反論する側に攻撃を加える正義感の暴走が顕著に現れた。一度拡散された悪評や「加害者」のラベルは、後に裁判で虚偽と証明されても完全には消し去ることができない。
報道機関のファクトチェック機能が弱体化し、コメンテーターやネットユーザーが「物語」だけを消費する構図が、いかに個人の尊厳や地域の信用を破壊するか。新井事件は、SNS時代の情報消費における最悪のシナリオを体現してしまった。